INTERVIEW 先輩インタビュー
自分で一から全部やりきった実績が
大きな達成感と自信につながる
自分で一から全部やりきった実績が
大きな達成感と自信につながる
溶接とは、簡単に言うと金属をつなげるための技術です。二つの金属材料を加熱して溶かすことで、強くつなぎ合わせることができます。当社の産業機械は主に鉄やステンレスといった金属でできており、私の部署では、鉄やステンレスの金属材料を溶接して産業機械の骨組みや様々な部品を製作しています。
中でも特に難しいのは、「圧力容器」という装置をつくる溶接です。圧力容器とは、内部の圧力を高くすることで素材の殺菌や加工をする金属容器のことで、食品機械や染色機械等、色々な産業機械に組み込まれています。しかし、高い圧力がかかっても溶接部が割れたりしないよう、圧力容器の溶接は高いレベルの品質が要求されます。
私は半自動溶接機を使用した鉄の小型・中型部品の溶接や、ロボット溶接機の操作を担当しています。製作する部品は、当社の産業機械が多種多様なので、部品も本当に様々なのですが、最近は電気自動車関係の産業機械の中型フレームや大型部品(2メートル程の大きさ)の製作を多く行っています。
職場の環境が徐々に改善されているからかなと思います。
振り返ると、仕事内容も人間関係もそんなにストレスはないのですが、最初は工場の暑さが結構きつかったです。入社当時は、夏になると溶接工場の室温が高くなり、スポットクーラーを使用しても、暑さで作業がなかなか進まないことがありました。ですが、2019年に工場に大型エアコンが設置されて、とても快適になりました。部分的な冷房ではなく工場内全体の室温が下がるので、作業のしやすさは段違いです。
また、有給休暇の取得促進や残業時間の削減も年々進んでおり、「働きやすい職場をつくろう」という会社の意思を感じます。
2021年、当社に初めてロボット溶接機が導入されました。それまでは、量産品が少ないのもあって溶接は人力だったのですが、業務効率化と社員の負担軽減のためにロボットによる自動溶接に着手することになったんです。私はロボットのオペレーターを任され、大型部品の溶接をロボットで行うことになりました。
しかし、本当に初めての試みだったので、最初はトラブル続きでした。ロボットに作業させるには、溶接する材料に合った溶接手順・速度等を教えて記憶させるプログラミングが必要です。が、それには本当にてこずって……。例えば、二つの材料を溶接でくっつけたときの境目部分(溶接ビード)がきれいにならず、何回も溶接の速度・電流の強さを調節しました。また、溶接が完了するまでにロボットが何度もエラーで停止してしまったので、そのたびに原因を洗い出し……溶接時に飛び散る金属カスに引っかかって動きが止まっていたら引っかからないよう動くルートを工夫したり、溶接機の自動ノズル清掃の工程をこまめに入れたり、一つ一つ問題を潰していきました。
溶接ロボットに携わる前は、わからないことは上司や先輩に教えてもらえました。でも、溶接ロボットは社内の誰もわかる人がいなかったので、完全に手探りです。ロボットのメーカーに問い合わせて、何個も対策を試して、苦労の連続だったなと思います。
そして、ついにロボットが停止することなく、材料の熱変形は最小限に、きれいな仕上がりで自動溶接する姿を見た時、その達成感は本当に大きいものでした。新しいことにチャレンジするのは大変です。けれど、初めて自分で一から全部やりきったことで、自信がつきましたし、成長を感じました。